出版社にFAXがふつうに導入されたとき、わたしはそのFAXの使い方が分かりませんでした。
印刷所に作家の原稿を送るのですが、深夜、ようやく原稿をもらって帰り、編集部からFAXで送る、そのときわたしがとった送り方。
原稿をすべてセロテープで留めて、つないで、長い状態にし、頭の原稿頁ををFAXにつっこんでダイヤル、そして送信ボタンを押したことを覚えています。
どんどん吸い込まれ、はき出され、止まることもなく、送り続けられるつながった原稿。
よかったぁ!締め切りに間に合った、ぁ…。
ほっと安堵の瞬間でした。
翌日、出社とともに、えらい怒られました!
「誰だぁ!!!昨夜のFAX送ったヤツはぁ?」局長がつながったままの原稿を持って、編集部で振り回してました。
印刷所でつながったまま出力されたトイレットペーパーのように長いFAX送稿原稿。迷惑だったらしい、のです。
ちゃんと届いてるじゃないか、内心そう安心もしました。
わたしは、FAXが自動で原稿の切れ目を感知するなんて、知りませんでした。
そんなころ、こんどは編集部にワープロ!が登場しました。
持ち込んできたのは、勤めていた会社の印刷所で凸版印刷でした。
印刷所の担当者は、原稿をワープロで作成すれば組み版作業が効率的によくなる、校正も早く見られますよ!と熱く語っていました。
作家も、ライターも、みんな手書きで、わたしたち担当者が受け取りにいくか、彼らに編集部に持ち込んでもらうか、郵送してもらっていた頃です。
ワープロで原稿入稿!
なんだかかっこいいが、結果は編集者の仕事が増えるだけ!でした。
頭の悪いコの文字変換に泣かされ、フロッピーに保存して、見本にプリントアウトを作成し、そのプリントアウトに赤ボールペンで文字指定をし…。
結論は、急ぎの仕事は手でやった方が早い!だったころです。
by やすひこ>>続く
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